月商の何か月分の資金 その2

2023年09月06日

 山ちゃん at 08:28 | Comments(0) | 会社経営のこと | 会社の資金繰り
どれくらい預金を持っていれば安心なのかを考えるときに、

月商の何ヶ月分というのは曖昧です、というお話をしました。

では、何を基準にしたほうがいいか?

まず、資金繰りを回すためには自社の経費、借入返済額を知る必要があります。

もし売上が2か月間無かったらいくらの資金が必要かと考えた方がいいでしょう。

そのためには下記の手順で考えましょう。

①毎月の固定費を把握しましょう
固定費とは、売り上げがあってもなくてもかかる経費です。
ざっくり言えば仕入れや外注費以外の経費です。
主な固定費は人件費で、他に地代家賃、水道光熱費等があります。
毎月の試算表の固定費(減価償却費を除く)です。
その他に、不定期に支払う経費も加味しましょう。
賞与とか、中間払いの法人税や消費税などです。

②毎月の借入金の返済額を把握しましょう。
借入金があれば、毎月の返済が必要です。
不測の事態の時には一定期間返済を猶予してもらう交渉もできないわけではないですが、
それは極めて例外的なことであり、約定どおりに支払うのが基本です。

③買掛代金の支払いはできますか
買掛代金や支払手形はいくらありますか?
この支払は一般的には売掛金の入金で賄いながら資金を回しています。
不測の事態が起こる前に存在する売掛代金は原則的にはきちっと入ってくるはずですが、
それは大丈夫でしょうか?
今回のコロナ問題のようなことが起こると売掛代金を約束通り支払ってもらえないということもあり得ます。
もし入ってこなかったらいくら足りないかも計算しておく必要があります。
私は、売掛金回収は50%を見込み、買掛金、支払手形100%支払うと見た方がいいと思います。

④以上で必要な資金が把握できます。

以上を式で表すと、

(①減価償却費を除く固定費 + ②毎月の返済額)×月数 + ③掛代金支払に要する額 これが当面必要なお金です。

月数は、売上がないと仮定される月数です。

最低でも2か月分は必要でしょう。

1か月では資金0になり、次の月の活動ができないからです。

今回のコロナのことを考えますと、3か月から4か月分は必要です。

⑤売上の変動が大きいほど、より多めに手元資金を持っておく必要があります。

売上は毎月保証されているわけではありません。

景気、季節変動、得意先の倒産等により、いつ減少するか分かりません。

この売上の減少に備えるためには、

変動が大きいほど手元資金を多く保有しておくことが必要です。



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